昔の2000ccクラス車は現在のコンパクトカーなみの軽さ

1968年に発売を開始され、ハコスカの愛称で親しまれたスカイライン4ドアセダンの車両重量はわずか1090kgでした。

2000ccの4ドアセダンなのに、現在の軽自動車やコンパクトカーよりも、ほんの少し重い程度の車重しかありませんでした。

ハコスカのGT-R(ツードアハードトップ)でも車重は1100kgでした。

この1100kgという軽量ボディにR380というレーシングカーのエンジン(S20型)をデチューンして搭載していたのですから、GT-Rが当時のクルマとしては圧倒的な速さを誇ったのも当然です。

ちなみに、現在発売されている日産GT-Rの車両重量は1,740kgもあり、スポーツカーとしてはかなりのヘビー級となっています。

しかし、現在のGT-Rはさまざまな路面状況でのグリップ力をあげるために、緻密な計算のもとにあえてその重量になるように設計されています。

レーシングカーであれば、大きなウイングで強力なダウンフォースを得ることができますが、市販車であるGT-Rで同じことをすることは無理なので、あえて車重を重くしてグリップ力をあげているのでしょう。

スポーツカーといっても、「単純に軽ければいいということではない」という考え方に変わってきているわけです。

1970年代に起こったスーパーカーブームの立役者となったランボルギーニ・カウンタックLP400は、エンジンの排気量が4000ccもあるのに、車重はわずかに1065kgでした。

マツダデミオの現行車の車重が1010kgですので、デミオに4000ccのエンジンを積んでしまったようなものです。

この当時は、車体重量が軽ければ軽いほどパワーウエイトレシオ的に有利になるので、速く走れるという考え方が主流だったのでしょう。

昔の1200ccクラスのコンパクトカーは今の軽自動車よりも軽かった?

車重がどんどん重くなっているのは軽自動車ばかりではありません。

1200ccクラスのコンパクトカーであっても事情は同じです。

1972年にホンダから発売された初代シビックのハッチバックは、排気量が1200ccもあるにもかかわらず、その重さはわずかに600kgでした。

これは、現在のアルト最軽量モデルよりも軽いことになります。

1981年にホンダから発売された初代シティも排気量は1200ccですが、車両重量はわずかに655kgでした。

これも、現在の多くの軽自動車よりも軽い重量ということがいえます。

シティはキュートな外観とは裏腹に俊足なモデルでしたが、現在の多くの軽自動車よりも軽いボディに1200ccのエンジンが搭載されていたのですから速いのはあたり前です。

最近の1200cc~1300ccクラスのコンパクトカーを見てみますと、日産マーチの一番軽いモデルで940kgとなっています。

ホンダフィットの最軽量モデルが970kg、同様にマツダデミオが1010kg、トヨタのヴィッツが970kgとなっています。

現在の多くのコンパクトカーは1t前後の車重があり、初代シビックや初代シティとくらべて、5割以上重くなっていることになります。

昔の軽自動車は軒並み500kg以下の軽量級でした

スバル360の385kgという軽さは驚きですが、それ以外の軽自動車も当時は500kg以下の車重が普通でした。

たとえば、1967年にホンダから発売された、N360というクルマの車両重量は475kgです。

このクルマは、現在ホンダから販売されているN-ONEのモチーフになったクルマですが、N-ONEの車重は軽量のノンターボモデルでも830kgもあります。

ホンダのN360と同じ年にスズキから発売された軽自動車に2代目フロンテがありますが、こちらの車両重量もわずか425kgでした。

ちなみに、フロンテの後継車種であるアルトは、重量化が進む現代のクルマの中で軽量化を進めている稀有なクルマとなっています。

1t近い重さがある軽自動車が多くなっている中で、スズキアルトの最軽量モデルであるLグレードはわずか610kgしかありません。

ホンダN360や2代目スズキフロンテが売られていた時代の軽自動車の排気量は360ccでしたが、現在の軽自動車の排気量は660ccです。

また、ボディのサイズも当時は全長3m以下、全幅1.3m以下、全高2m以下に制限されていたのに対して、現在は全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2m以下と、だいぶ大型化しています。

そんな大型化をしている現在の軽自動車のなかで、スズキアルトは610kgという軽量化を実現しているのですから驚きです。

現在の軽自動車の売れ筋となっている背の高いミニバンタイプのモデルの多くは1t近い重量級です。

ダイハツタントの場合、一番軽いモデルで920kgありますし、ホンダのN-BOXも軽いモデルで930kgあります。

排気量が660ccになっているとはいえ、これだけの重量があると、非力なノンターボモデルでは高速道路120km/h時代に対応していくのは厳しいかも知れません。

昔の車は驚くほど軽かった

1958年に富士重工業から発売されたスバル360という軽自動車があります。

俗に「てんとう虫」と呼ばれるかわいらしいクルマです。

実は、このクルマの車両重量が、なんと385kgだったのです。

ちなみに、代表的な大型バイクであるハーレーダビッドソンのウルトラリミテッドローというモデルの重量は、415kgもあります。

つまり、スバル360は4輪車あるにもかかわらず、バイクよりも軽かったのです。

当時の軽自動車はタイヤが側溝に落ちてしまっても、2人で「よいしょ!」と声をかけて持ち上げれば簡単に脱出できました。

また、方向転換が難しい狭い路地でも、バンパーに手をかけて「よいしょ!よいしょ!」と持ち上げながら少しずつ方向転換することも可能でした。

笑い話のようですが、本当にそれくらい当時の軽自動車は軽かったのです。