政界やぶにらみ(3) 「討論と議案審査の流れ」

1 討論という重要な仕事

議会における議員の仕事にはいろいろあるが、中でも重要な仕事の一つとして「討論」がある。この討論の場は2種類あり、一つは委員会の場でもう一つは最終日の本会議の場だ。

いずれも提出された議案を審査した後、各議員一人ひとりがその議案について「賛成か反対か」、さらには「何故賛成するのか或いは反対するのか」を理由を明らかにして態度を表明することである。

もとより議員の言動はその一つひとつが「判断・決断の連続」である。これから逃げたり、曖昧な態度をとるようなら議員の責務は果たせないし、市民各位からは厳しくチエックしていただく必要がある。

さらに、討論はその議員自らの考え方や主張の表明だけではなく、それを聞いている人(市民や同僚議員及び当局関係者等)に対して、考え方の参考や判断の材料に供するという意味もあり、その点でも重要な行為である。

 

2 議案審査の流れ
ここで、今後の話を分かり易くする為に、柏崎市議会における議案審査の流れについて述べておきたい。

議会が召集され本会議が開会すると、以下次のような流れになる。

(1)本会議開会:議案説明及び質疑。その会議に上程される議案の提案理由とその説明があり、それに対する質疑がある。

(2)委員会付託:各議案を更に詳しく審査する為に、一つひとつの議案毎に各所管委員会に付託する。
※ 因みに、柏崎市議会では①総務常任委員会、②文教厚生常任委員会、③産業建設常任委員会の3委員会が設置されている。(全議員26名が何れかの委員会に所属している。)

(3)委員会審査:各委員会で付託された議案1件々々について詳細な審査及び議論をする。

(4)討論:審査が終わると議員間討議 → 討論 → 採決、と進み委員会としての結論が出る。(ここでの討論が1つ目の委員会での討論である。)

(5)本会議(最終日):各委員会に付託された個々の議案について委員長報告があり、それから採決までの流れは以下のとおりである。

① 委員長報告:各委員会における質疑・議論の様子や採決の結果を委員長から報告がある。合わせて、委員長報告に対する質疑が行われる。

② 討 論 : ここで、委員会とは別に本会議場で新たに「討論」が行われる。(これが2つ目の討論である。)

③ 採 決 : 本会議場における最終議決であり、これがその議案の最終結論となる。

以上である。

   つまり、この最終日の本会議では、全議員と市長以下当局関係者が出席して、上程議案一件々々について柏崎市議会の最終的な賛成・反対の結論を決することになる。

申し上げるまでもないことであるが、この最終議決によって市民生活に直結した議案が決定し、行政執行がなされるのであるから、各議員は極めて重要な使命を担っていることになる。繰り返しになるが、以上のように討論という仕事は議員に与えられた大きな責任のある仕事ということになる。

次回は、具体的な「議員討論の事例」見ながら、各議員の討論や議員行動に迫ってみたいと思う。

政治

政界やぶにらみ(2) 「自分は市長与党だ」と言ってはばからない議員

◎ 「自分は市長与党だ」と言ってはばからない議員

1 二元代表制

地方議会の在り方について「二元代表制」という言葉が度々使われる。つまり、地方自治体では、首長(市町村長や知事)と議会議員をともに「住民が直接選挙で選ぶ」という制度をとっている。これを二元代表制と言う。

(※ 参考:国では、選挙された議員で組織された国会が指名する内閣総理大臣が内閣を組織し、国会に対して責任を負う、という議院内閣制である。)

二元代表制の特徴は、首長と議会がともに住民を代表するところにある。どちらも住民を代表するという立場の首長と議会が、お互いが市民にとって「良きは進め、悪しきは正す」役割を果たすことを言う。

従って、首長と議会が対等の立場で、基本的な方針を決定(議決)し、その執行を監視したり、積極的な政策提案を通して政策形成の舞台となることこそ、地方議会における二元代表制の本来の在り方であるといえる。

 

2 「我々は市長与党」と言う議員諸氏

柏崎市議会には「自分は市長与党だ」と言ってはばからない議員センセイがおいでになる。

もう少し具体的に言うと「市長の提案は『カラスが白い』と言われても賛成する議員先生」が堂々と胸を張って存在するということである。既にお気付きのように、これ等の議員諸氏は二元代表性の役割を果たしていないことになる。換言すれば、「議員としての責務を果たしていない」ことになる。

ところが、柏崎市議会ではこのような議員諸氏の方が「多数を構成」しているのである。その分かりやすい例が6月定例会議で出た。

「13t級除雪ドーザ(1,700万円余)」の購入契約の審議をした総務常任委員会での討論の中でのことである。(参考:本サイト6月28日掲載「存在しない会社と契約してしまう柏崎市役所の超常現象」にて概説)

委員会ではこの議案の賛成・反対は「4:4」に分かれた。その賛成をした4人の発言を紹介しよう。

「この契約は疑問が多い。」「この契約には問題がある。」「だけど、市当局がこれで良いというから賛成する。」と言うのである。ここでは4人が揃って(多少の表現の違いがあるものの)このような発言をして「賛成」したのである。

結局、この契約は
◎ 委員会では賛否同数により、委員長採決で「否決」・・・ところが、
◎ 最終日の本会議では、賛成多数で「可決」承認(契約は成立)
したのである。

議会では、委員会で否決された議案でも、最終日の本会議で覆ることがままある。これは、「最終決定は本会議の議決による。」からである。

くどいようだが再度申し上げるならば、委員会では本議案について是か非かの積極的な議論が交わされ、かろうじて「否決」・・・つまり、「市長提案を否決」したのである。ここでは、「市議会の良識」を守り、二元代表制の役割が果たされたのである。ところが議会最終日、本会議では「市長派議員の多数」により「白いカラス」が成立したのである。

これ等一連の審議経過や議論の様子は、報道では知らされない。従って市民各位にはごく一部を除いて殆ど届いていないと思われる。

本サイトではこれからも、このような市議会の知られざる実態をお伝えしていきたい。

今回のこの「市長与党議員」や「契約」の問題点が何処にあるのかは賢明なる読者各位のご判断に委ねたい。

また、二元代表制や市長与党議員のことについては、極めて大切なことであるので、これからも折に触れて掲載していく予定である。

H 25.8.12

政治

政界やぶにらみ(1) 「報道されない話題を・・・・・斬る!!」

1 国政と地方政治
参議院選挙が終わってねじれが解消し、これからは円滑な国政運営が展開されると思いきや、野党内では選挙敗北の責任論や路線の対立が表面化、それに加えて副議長選挙の二重投票と懲罰動議、さらには麻生発言で野党が先鋭化・・・・・、相変わらずである。

2 国も地方も同じこと
かつて、あるベテラン市議がこんなことを言っていた。 「規模の大小はあるけれど、国政も地方政治も大きな違いはない。やっていることは人間社会の縮図そのものだ。」・・・と。 言われてみれば納得できる。

柏崎市議会も似たようなもの。現在の議員の数は26名、国会に比べれば一握りだ。決して多くはない小所帯であるにもかかわらず、その中身は8つの会派に分かれている。単純に割り算しても1会派3.25人であることから、市民の間でも批判の声は絶えない。それがさらに、市長与党と野党に別れているから中々一筋縄では行かない。会議の度毎に意見が対立し、紛糾することも少なくない。市民の側からすれば ”またか”と思われる向きも多いが、各々の立場から言えば ”立派な理屈”がある。

3 報道されないこと
身近なはずの市議会ではあるが、議論の中身や対立軸、あるいは議員間の意見の違いや攻防の実態は殆ど市民に知られていない。ごく少数ではあるが熱心に議会傍聴に訪れる市民の姿も見られる。これ等の人々は良くお分かりだが、大多数の人々には届いていない。

今後、新聞・テレビを含めて、マスコミが取り上げない、或いは取り上げても本質まで伝わらない諸々を「やぶにらみ」しながら、原則的には毎週火曜日にアップしてお届けしていきたい。

政治