◎全文=「地方都市における小売業経営の課題と対策」=産業建設常任委員会<問題提起論文>

<説明>以下に掲載する論文は、これまで6回シリーズ(6月26日(月)~7月1日(土)まで)で掲載した記事を、まとめて読みたいとの声に応えて、一括掲載するものである。少々長くなり恐縮ですが、ご参考に供していただければ幸いです。

「地方都市における小売業経営の課題と対策」

(1)地方都市で苦しむ小売業

地方都市で小売業が苦しんでいる。中でも地元個店の苦戦が続いている。拙筆の住む新潟県柏崎市では人口8万6千人の小規模都市だが、その例外ではない。昨年(平成28年)から個店の閉店や撤退が続いているが、今年も既に何店かが口の端に上っている。このことは、これまでもずっと指摘され続けてきたが、効果的対策も打ち出せないまま、今日に至っている。

この背景には、人口減少がありその内訳は少子高齢化・若者流出等々の問題がある。本市でも近年は毎年1,000人ずつ人口が減少している。人口減少は都市の賑わいを奪い活力の低下を招く。日本創生会議が平成26年に人口動態分析を行い、「消滅可能性都市」が全国1,718市町村中896自治体(52.3%)にも及ぶと発表し、大きな衝撃が走ったが、地方都市で生活する者からすれば、日頃肌身で感じていることでもある。

(2)それでも小売販売額は伸びている 

 それでは、地方都市では小売業は成り立たないのか?と言えば、決してそんなことはない。人間が生活する以上消費はするし、購買行動はなくならない。それが証拠に市内総生産の小売販売額をみると、直近の5年対比で16.2%伸びていることが解る。つまり小売販売額は年2~3%伸びているのである。人口減少や企業・事業所の閉鎖・撤退にも関わらず・・・である。

 それでは、この現実をどのように捉え、分析・解釈すればいいのか?である。私は業界の2極化と企業間格差が顕著になっていると考える。つまり、外部資本と地元個店との間と、変化対応への成否の間に生じている2極化と企業間格差が拡大し、その結果が経営の成果・実績として表れてきていると思っている。

 外部資本による出店は、例えばCVSGMSSC等々順調な経営展開をして成長しているようである。外部資本と地元個店とを区分対比するデータがない為に数値の確認はできないが、外から窺う勢いや賑わいから推測することはできる。

 もう一歩踏み込んで推理すると、外部資本は2桁成長し、地元個店はマイナス成長をしている可能性もあるのではなかろうか? 少なくても日頃地元個店の店主と接したり、耳に入る話では「売り上げが40%落ちた」とか「何時店仕舞いするか常に考えている」と言う様な暗い話が圧倒的に多いことからも、想像できるのである。

(3)勝ち組・負け組

 どうやら、地方都市における小売業の現状は「勝ち組、負け組」の明暗が、よりハッキリしてきているように思われる。但し、念の為に申し添えておくが、外部資本が総て勝組で地元個店が総て負け組ではない。地元個店で売り上げを伸ばし、店舗を拡張した例もあるし、外部資本で撤退した経営体もある。要は変化対応と経営努力如何になろうか。 

(4)地元個店が生きる道 

 このように見てくると、お先真っ暗で絶望的な気持ちになってくる。それでは地方都市においては、地元個店が生きる道はないのか? ということだが、「道はある」と言いたい。結論から申し上げると、対策は2つである。その1つは「ライフスタイルマーケティング」の実践である。2つには「環境変化への的確な対応」である。

(5)ライフスタイル・マーケティングの実践 

 まず、1つ目のライフスタイルマーケティングの実践であるが、その定義によれば、「顧客の様々な生活シーンの一場面を取り上げ企画し、それをテーマに設定し、効果的マーケティングミックスにより提案する『購買需要創造活動』である」としているが、これを一歩引いて良く考えてみると、このマーケティング手法は地元個店がずっと実行してきた方法である。特に行商(担ぎ商人)からスタートした本市の歴史を振り返れば、創業からの一定期間は正にこのライフスタイルマーケティングが商売の基本精神であった。具体的には、行商創業時の店主たちは、顧客のライフスタイルを把握しながら、好みやニーズを思い描いた上で、商品を選別し、提案し、販売に結び付けてきたのである。確かに、今日の情報化や科学技術の進展は、各方面で技術革新を伴いながら、新しいビジネスモデルを構築してきているが、「その底流意を流れる精神は変わっていない」と申し上げたい。

 その後、国民生活は向上し経済が成長して来るとともに、行商から店頭へと販売の場は変わってきたが、地元個店はライフスタイルマーケティングの実践によって成長発展してきたのである。つまり、課題解決の1番目の対策として、原点回帰を挙げたいのである。

(6)変化対応型経営

 次にもう1つの対策である環境変化への的確な対応についてである。

 今日、地方では少子高齢化・人口流出による人口減少、そして過疎化が一段と進んでいる。このことはこれまでも言われ続けてきていることであるが、近年この現象は益々顕著となってきている。限界集落・消滅可能性都市等のキーワードに表現されるように、危機的状況が随所で表面化してきている。

 このような環境下、地方都市における消費生活・買い物行動では、買い物弱者(或いは買い物難民)と呼ばれる人々が、買い物の不便・困難を抱え、日常生活にも支障をきたしているのである。

 もとより、小売業は地域密着型経営体である。これら環境変化による課題に正面から向き合い、対策を講じるべき使命と役割を担っていると申し上げたい。そこでその対策として移動販売とネット通販の2つに注目してみたい。 

(7)移動販売

 まず1番目の移動販売であるが、経済産業省では「買い物弱者応援マニュアルVer3,0」を発行して全国の事例を紹介しているし、各自治体でも導入・取り組みが進んでいる。

 この移動販売は各個店が比較的導入しやすい手法である。扱い商品としては、食料品・日用品のイメージが強いが、衣類・身の回り品等も、アイデア・工夫次第である。また、その取り組み方も個店が単独でする場合から生活協同組合やシルバー人材センター等の組織的取り組みまで様々であるが、地域特性や顧客ニーズに対応しながら経営展開することで、課題解決の有効な対策であることには違いがない。 

(8)ネット通販 

もう1つはネット通販である。

近年、高齢者世帯や高齢者の単独世帯が増加してきている。運転免許証を返上したり、車を持たない世帯も増えてきている。このような人達は、大きな荷物や食料品のまとめ買い、或いは悪意天候の中での買い物などでは、持ち帰りや買った商品の組み立て等々に困ることも少なくない。そこでネット通販がこの課題解決になる。消費者側からすれば、ネットで注文し自宅まで届けてもらえることになり、特に買い物弱者からすると大変助かることになる。

これについても、既に大手SCやCVSで取り組みがなされてきているが、何も大手だけの専売特許とは限らない。自治体も含めて、地域的連携の方向を追求すべきであろう。但し、ここで浮上してくる問題が高齢者のインターネット活用と端末機操作であるが、この事も近年のインターネット普及率やタッチパネルによる端末機の普及が解決の道につながると考える。

(9)シンプルイズベスト

以上、地方都市における小売業経営の課題と対策について考えてきた。直面する課題は様々であるが、その対策は単純である。基本は顧客が望み喜ばれるマーケティングミックスの実践である。換言するならば、具体的にはライフスタイルマーケティングと変化対応型経営である。そして創意工夫でありイノベーションであり経営努力である。答えは足元にあり、「シンプルイズベストである」と申しあげたい。

<完>

政治

◎ネット通販・シンプルイズベスト=「小売業経営の課題と対応」=産業建設常任委員会<問題提起論文より⑥>

「地方都市における小売業経営の課題と対応⑥」

(8)ネット通販

もう1つはネット通販である。

近年、高齢者世帯や高齢者の単独世帯が増加してきている。運転免許証を返上したり、車を持たない世帯も増えてきている。このような人達は、大きな荷物や食料品のまとめ買い、或いは悪意天候の中での買い物などでは、持ち帰りや買った商品の組み立て等々に困ることも少なくない。そこでネット通販がこの課題解決になる。消費者側からすれば、ネットで注文し自宅まで届けてもらえることになり、特に買い物弱者からすると大変助かることになる。

これについても、既に大手SCやCVSで取り組みがなされてきているが、何も大手だけの専売特許とは限らない。自治体も含めて、地域的連携の方向を追求すべきであろう。但し、ここで浮上してくる問題が高齢者のインターネット活用と端末機操作であるが、この事も近年のインターネット普及率やタッチパネルによる端末機の普及が解決の道につながると考える。

(9)シンプルイズベスト

以上、地方都市における小売業経営の課題と対策について考えてきた。直面する課題は様々であるが、その対策は単純である。基本は顧客が望み喜ばれるマーケティングミックスの実践である。換言するならば、具体的にはライフスタイルマーケティングと変化対応型経営である。そして創意工夫でありイノベーションであり経営努力である。答えは足元にあり、「シンプルイズベストである」と申しあげたい。

 <完>

<説明>

※今回も引き続き、柏崎市議会荒城彦一議員が産業建設常任委員会を中心に提案してきた、「緊急経済対策」に関する活動内容を数回に分けて掲載する。以下は、その提案理由の中から一部を抜粋した導入部分である。

◎これまで長い間、柏崎の経済が低迷し、元気がないと言われ続けてきたが、私はこのことの重大性を取り上げ、対策の必要性を訴え続けてきた。ところが、この私の心配と危機感が現実の問題となって表面化してきたのである。それが昨年後半からの個店の閉店や撤退である。

私は産業建設常任委員会に所属(H27.5~H29.6)し、委員長として対策・対応に奔走してきたが、ようやく本年4月19日臨時議会において「緊急経済対策(スタンプラリー実施計画案)予算3,000万円」が可決成立し、6月10日よりスタートしている。

そこで、ここでは、それに関する記事を何回かに分けて紹介することとした。

まず最初は「小売業経営の課題と対策」と題し、主に地方都市に焦点を当てた小論文である。この論文は議会に対して問題意識を提起するとともに、「緊急経済対策を協議」する、検討資料としたものである。

それでは、拙い文書で恐縮であるが、以下6回シリーズにて掲載するので、ご高覧いただければ幸いであります。

以上

 

政治

◎変化対応型経営・移動販売=「小売業経営の課題と対応」=産業建設常任委員会<問題提起論文より⑤>

「地方都市における小売業経営の課題と対応⑤」

(6)変化対応型経営・移動販売

 次にもう1つの対策である環境変化への的確な対応についてである。

 今日、地方では少子高齢化・人口流出による人口減少、そして過疎化が一段と進んでいる。このことはこれまでも言われ続けてきていることであるが、近年この現象は益々顕著となってきている。限界集落・消滅可能性都市等のキーワードに表現されるように、危機的状況が随所で表面化してきている。

 このような環境下、地方都市における消費生活・買い物行動では、買い物弱者(或いは買い物難民)と呼ばれる人々が、買い物の不便・困難を抱え、日常生活にも支障をきたしているのである。

 もとより、小売業は地域密着型経営体である。これら環境変化による課題に正面から向き合い、対策を講じるべき使命と役割を担っていると申し上げたい。そこでその対策として移動販売とネット通販の2つに注目してみたい。 

(7)移動販売

 まず1番目の移動販売であるが、経済産業省では「買い物弱者応援マニュアルVer3,0」を発行して全国の事例を紹介しているし、各自治体でも導入・取り組みが進んでいる。

 この移動販売は各個店が比較的導入しやすい手法である。扱い商品としては、食料品・日用品のイメージが強いが、衣類・身の回り品等も、アイデア・工夫次第である。また、その取り組み方も個店が単独でする場合から生活協同組合やシルバー人材センター等の組織的取り組みまで様々であるが、地域特性や顧客ニーズに対応しながら経営展開することで、課題解決の有効な対策であることには違いがない。

<以下次回>

<説明>

※今回も引き続き、柏崎市議会荒城彦一議員が産業建設常任委員会を中心に提案してきた、「緊急経済対策」に関する活動内容を数回に分けて掲載する。以下は、その提案理由の中から一部を抜粋した導入部分である。

◎これまで長い間、柏崎の経済が低迷し、元気がないと言われ続けてきたが、私はこのことの重大性を取り上げ、対策の必要性を訴え続けてきた。ところが、この私の心配と危機感が現実の問題となって表面化してきたのである。それが昨年後半からの個店の閉店や撤退である。

私は産業建設常任委員会に所属(H27.5~H29.6)し、委員長として対策・対応に奔走してきたが、ようやく本年4月19日臨時議会において「緊急経済対策(スタンプラリー実施計画案)予算3,000万円」が可決成立し、6月10日よりスタートしている。

そこで、ここでは、それに関する記事を何回かに分けて紹介することとした。

まず最初は「小売業経営の課題と対策」と題し、主に地方都市に焦点を当てた小論文である。この論文は議会に対して問題意識を提起するとともに、「緊急経済対策を協議」する、検討資料としたものである。

それでは、拙い文書で恐縮であるが、以下6回シリーズにて掲載するので、ご高覧いただければ幸いであります。

以上

 

政治

◎ライフスタイル・マーケティングの実践=「小売業経営の課題と対応」=産業建設常任委員会<問題提起論文より④>

「地方都市における小売業経営の課題と対応④」

(4)ライフスタイル・マーケティングの実践

 まず、1つ目のライフスタイルマーケティングの実践であるが、その定義によれば、「顧客の様々な生活シーンの一場面を取り上げ企画し、それをテーマに設定し、効果的マーケティングミックスにより提案する『購買需要創造活動』である」としているが、これを一歩引いて良く考えてみると、このマーケティング手法は地元個店がずっと実行してきた方法である。特に行商(担ぎ商人)からスタートした本市の歴史を振り返れば、創業からの一定期間は正にこのライフスタイルマーケティングが商売の基本精神であった。

具体的には、行商創業時の店主たちは、顧客のライフスタイルを把握しながら、好みやニーズを思い描いた上で、商品を選別し、提案し、販売に結び付けてきたのである。確かに、今日の情報化や科学技術の進展は、各方面で技術革新を伴いながら、新しいビジネスモデルを構築してきているが、「その底流意を流れる精神は変わっていない」と申し上げたい。

 その後、国民生活は向上し経済が成長して来るとともに、行商から店頭へと販売の場は変わってきたが、地元個店はライフスタイルマーケティングの実践によって成長発展してきたのである。つまり、課題解決の1番目の対策として、原点回帰を挙げたいのである。

<以下次回>

<説明>

※今回も引き続き、柏崎市議会荒城彦一議員が産業建設常任委員会を中心に提案してきた、「緊急経済対策」に関する活動内容を数回に分けて掲載する。以下は、その提案理由の中から一部を抜粋した導入部分である。

◎これまで長い間、柏崎の経済が低迷し、元気がないと言われ続けてきたが、私はこのことの重大性を取り上げ、対策の必要性を訴え続けてきた。ところが、この私の心配と危機感が現実の問題となって表面化してきたのである。それが昨年後半からの個店の閉店や撤退である。

私は産業建設常任委員会に所属(H27.5~H29.6)し、委員長として対策・対応に奔走してきたが、ようやく本年4月19日臨時議会において「緊急経済対策(スタンプラリー実施計画案)予算3,000万円」が可決成立し、6月10日よりスタートしている。

そこで、ここでは、それに関する記事を何回かに分けて紹介することとした。

まず最初は「小売業経営の課題と対策」と題し、主に地方都市に焦点を当てた小論文である。この論文は議会に対して問題意識を提起するとともに、「緊急経済対策を協議」する、検討資料としたものである。

それでは、拙い文書で恐縮であるが、以下6回シリーズにて掲載するので、ご高覧いただければ幸いであります。

以上

 

 

政治

◎勝ち組・負け組・地元個店が生きる道=「小売業経営の課題と対策」=産業建設常任委員会<問題提起論文より③>

「地方都市における小売業経営の課題と対策③」

(3)勝ち組・負け組

 どうやら、地方都市における小売業の現状は「勝ち組、負け組」の明暗が、よりハッキリしてきているように思われる。但し、念の為に申し添えておくが、外部資本が総て勝組で地元個店が総て負け組ではない。地元個店で売り上げを伸ばし、店舗を拡張した例もあるし、外部資本で撤退した経営体もある。要は変化対応と経営努力如何になろうか。

(4)地元個店が生きる道

 このように見てくると、お先真っ暗で絶望的な気持ちになってくる。それでは地方都市においては、地元個店が生きる道はないのか? ということだが、「道はある」と言いたい。結論から申し上げると、対策は2つである。その1つは「ライフスタイルマーケティング」の実践である。2つには「環境変化への的確な対応」である。

<以下次回>

<説明>

※今回も引き続き、柏崎市議会荒城彦一議員が産業建設常任委員会を中心に提案してきた、「緊急経済対策」に関する活動内容を数回に分けて掲載する。以下は、その提案理由の中から一部を抜粋した導入部分である。

◎これまで長い間、柏崎の経済が低迷し、元気がないと言われ続けてきたが、私はこのことの重大性を取り上げ、対策の必要性を訴え続けてきた。ところが、この私の心配と危機感が現実の問題となって表面化してきたのである。それが昨年後半からの個店の閉店や撤退である。

私は産業建設常任委員会に所属(H27.5~H29.6)し、委員長として対策・対応に奔走してきたが、ようやく本年4月19日臨時議会において「緊急経済対策(スタンプラリー実施計画案)予算3,000万円」が可決成立し、6月10日よりスタートしている。

そこで、ここでは、それに関する記事を何回かに分けて紹介することとした。

まず最初は「小売業経営の課題と対策」と題し、主に地方都市に焦点を当てた小論文である。この論文は議会に対して問題意識を提起するとともに、「緊急経済対策を協議」する、検討資料としたものである。

それでは、拙い文書で恐縮であるが、以下6回シリーズにて掲載するので、ご高覧いただければ幸いであります。

以上

政治