車にまつわる話し

●ホンダには幻となったスポーツカーが2台もある

現存しておらず、本当に幻となった「スポーツ360」(画像は復刻したレプリカ)
 自動車メーカーは数年先の発売を見込んで新型車の開発をスタートさせますが、景気やトレンドの変化、マーケットの動向などによって、開発が凍結されてお蔵入りになることがあります。

 お蔵入りになった有名なモデルとして、スポーツカーの日産「MID4」がありますが、ホンダも2台のスポーツカーの発売を断念した歴史があります。

 1台は1962年の第9回全日本自動車ショーに展示された、赤い小さなオープンカー「スポーツ360」です。

 ほかに軽トラックの「T360」と「スポーツ500」が展示され、どれかがホンダ初の4輪車になることが決まっていましたが、結果T360がホンダ初の4輪車として発売され、続いて「S500」を発売。スポーツ360は発売されませんでした。

 理由としては「世界に通用するスポーツカー」とすることへの方向転換で、軽自動車は内需が期待できるトラックのみとされ、スポーツ360は発売されることなく幻のモデルになってしまいます。

 その後のスポーツ360は行方不明になりましたが、ホンダの有志によりスポーツ360の復刻プロジェクトが立ち上がり、東京モーターショー2013でお披露目されました。

 そして、もう1台の幻のスポーツカーは、日本でアキュラブランドから2010年に発売する予定だったモデルです。

 ホンダのスーパーカーである「NSX」の後継車として、V型10気筒エンジンをフロントに搭載し、リアタイヤを駆動するFRを基本とした4WD車という概要も決定していました。

 しかし、2008年にリーマンショックが起こり、世界規模で景気が急速に悪化したことで、ホンダは日本におけるアキュラブランドの展開を白紙に戻し、同時に新型スポーツカーの開発も凍結しました。

 幻となった新型スポーツカーでしたが、2010年に「HSV-010」の名でスーパーGTに参戦することが決定。これは、スーパーGTに参戦するためのベース車両が無いホンダにとって、苦肉の策といえます。

 その後、世界経済が回復したため新たなスポーツカーの開発がスタートし、2017年に新型NSXが発売されました。