●ハイブリッドシステムはトヨタよりも日産の方が優れていた!?
システムは秀逸だがスタディモデルだった「ティーノハイブリッド」
トヨタは1997年に世界初の量産ハイブリッド車、初代「プリウス」を発売。当時としては驚異的な28km/L(10・15モード)という低燃費を誇り、世界中から絶賛されました。
そしてプリウスに対抗するため、1999年にホンダ初代「インサイト」が発売され、2000年には日産が「ティーノハイブリッド」を100台限定で販売を開始。
ティーノハイブリッドは1998年に発売されたハイトワゴン「ティーノ」をベースにモーター、バッテリー、インバーターを追加し、燃費を同クラスのガソリン車の2倍以上とする開発目標が設定されていました。
パワーユニットは最高出力101馬力の1.8リッター直列4気筒エンジンと、23馬力の駆動用モーターと発電用モーターを組み合わせ、トランスミッションはCVTを採用し、クラッチを使って動力の切り替えをおこないました。
バッテリーは当時のプリウスでも採用していなかったリチウムイオン電池を自動車用として世界で初めて搭載。
加速時はモーターがエンジンをアシストし、減速時にはモーターで発電をおこなって回生した電力をバッテリーに充電、さらに発進時や低速走行時はモーターのみで走行するEV走行も可能でした。
このハイブリッドシステムは現在のストロングハイブリッドとほぼ同じ機能を実現しており、機能的には初代プリウスを凌駕していたことになります。
ワゴンボディで室内も広く、高い完成度を誇っていたティーノハイブリッドでしたが、約1.5トンの車重だったため燃費は23km/Lとプリウスを下まわっており、価格も315万円(消費税含まず)とプリウスよりも100万円高に設定されていました。
それでも、ネットによる予約購入という当時としては斬新な販売方法がとられ、限定100台は即日完売しています。
その後、日産のハイブリッド車は、ティーノハイブリッド発売から10年後の2010年に登場した「フーガハイブリッド」まで待たなければなりませんでした。