日本における犬と猫

日本人が犬と生活しだしたのは10000年以上前、狩猟で生活をしていた縄文人は、犬と暮らし、家族として扱っていたとされる。『日本書紀』にも犬は神として登場するから、人間にとって有用な存在と考えられていたことがわかる。景行(けいこう)天皇の時代というから西暦100年より少し前のことだ。

皇子の大和武尊(やまとたける)は、東国に住む蛮族の征伐に出かけた帰り、信州の山で迷ってしまう。そこに現れたのが白い犬だ。皇子を導くように案内をしてくれたので、美濃の国に出ることができたと書かれている。また民話でも、犬は人間を守る存在として登場することが多い。たとえば各地に伝わる悪神退治伝説では、人間と一緒に悪神を退治する存在として犬が登場する。磐田市に伝わる「しっぺい太郎」伝説では、人身御供を要求する神が唯一恐れたのが「しっぺい太郎」という犬だった。そこで旅の僧侶が犬を飼い主から借り受け、悪神を退治したという。

猫が日本の歴史に登場するのは奈良時代とされる。
この時代、中国からさまざまな経典が輸入されたが、鼠が紙を食い荒らしてしまう。それを防ぐため、猫も一緒に連れてこられたのだ。平安時代の宇多天皇は黒猫を飼っており、彼が書き記した『寛平御記』には猫の様子が細かく描写されているから、当時の貴族の間で猫が愛玩されていたことがわかる。

しかし、猫は夜行性であり、瞳孔が糸のように細くなるところから、魔性のものとも考えられていた。たとえば鎌倉時代の『明月記』には、猫又という化け物が一晩に数人を殺害したとあるほか、安土桃山時代に起きた鍋島藩化け猫騒動は有名だろう。江戸時代の怪談集にも猫の怪が数多く紹介されている。たとえば『耳袋』には、寺で飼われている猫が言葉をしゃべったとあり、それを聞きとがめた和尚が問い詰めると、「十年以上生きた猫は言葉をしゃべり、14~5年生きれば神通力も得る」と教えたと書かれている。猫は不思議な動物だとも考えられてきたのだろう。

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