オオカミは人が家畜化した最初の動物だと言われています。
「家畜」と言うと牛や豚、ヒツジやヤギなどのイメージがありますが、これらの動物の家畜化はさらに後の時代になってからです。
オオカミと人の共生は、約3万年も前から始まったと考えられており、当初は住居の見張り役という番犬のような役割を果たしていたようです。
なぜ野生のオオカミが人と生活をともにするようになったのでしょうか?
オオカミは群れ社会で生活し、群れの中には厳しい上下関係が存在します。
自分より上位の者には絶対に逆らいません。また、厳しい環境を生き抜くために表情や動作で仲間に意思を伝えるという高いコミュニケーション能力を備えています。
この習性が人と生活するのに適していることから、古代の人たちはオオカミをともに暮らすパートナーとして選んだのでしょう。
オオカミは極めて社会性が高く、集団生活におけるルールが人間社会のそれと非常に似通っていることが分かります。
この家畜化されたオオカミが、犬の祖先となったようです。